「マクベス」を観劇してきました
先日、ようやく「マクベス」を観劇してきました。
雨のせいとはいえ、つくづく写真を撮るのが下手くそだった・・・
ライブビューイングを含めて2回見ることができた。
盛りだくさんすぎてどこからどう書けばいいのか本当に悩ましく、どう頑張ってもまとまりのあるレポらしいものは書けなさそうなので、思いついた感想を順不同に書きます。
丸ちゃんの声がとにかく大好きな私は、姿形が見られることはもちろん、この難解で独特なセリフを「あの声」で聴きまくれるだけで鳥肌モノだと思っていた。
もう戦いは終わったんだ
と、倒れてもなお向かってくる敵に語りかける声がマクベスの第一声だったと記憶していますが、王のために戦い抜いた勇猛果敢な軍人というより、さわやかな妖精のような声で、マクベスに相応しくない感想だと思いながらも、なんてカワイイんだと思ってしまった。
それが段々と変わってくる。
例えば、
魔物の予言を聞いたとたんに明らかに野望の色を帯びていたり
マクベス以上に野心まみれになった夫人との会話では不安を隠さなかったり
スコットランド国王の座についてからは、亡霊の陰に怯え取り乱してみたり、それでも虚勢を張って見たり
恐怖を口にするものはしばり首だぁ~といったセリフを始めとするドSなセリフで家臣を粘着質に罵ってみたり
一人の人間の感情や立場がどんどん変わっていく様子をその声音で感じることができた。
印象的なシーンについて思い返してみると、やはりマクベス夫人とのシーンが大きいと思う。
例えばマクベスをそそのかし、叱咤するときの夫人。(夫人呼びすると出川とデヴィ夫人の関係っぽいな)
原作の翻訳本(小田嶋氏版)を読んだ感想からすると、もう少しゾッとする感じを秘めた女性を想像していたため、そのセリフ回しが早口すぎて、相当恐ろしい計画なのにそれほど恐ろしく感じられなかった気がしたが、でも、あれぐらいキーキーとしていた方がだいぶ情けないときもあるマクベスとのバランスが良かったのかもな、と今になって感じている。
そして、戦いを終えて久方ぶりに城へ帰還したあのシーン。
リアルだった。
黒い野心で頭がいっぱいの夫人にはぐらかされながらも、子供のように甘え、求めようとするマクベス。
芝居において、自然に演じるということは俳優の基本だと思われますが、その首の傾き具合や顔の近付け方、相手の二の腕への手の添え方やすべらせ方などの仕草を目の当たりにして、不謹慎ながら、ああ普段からこんな風にしちゃうんだよなあぁぁと思ってしまった。
しかし、ライブビューイングで見たときよりはややキスシーンが短くなっていたと思われ・・・。いや、自信はないな。単に私の防衛本能による錯覚かもしれない。
ここのシーンのことは、実はうっかりTwitterで読んでしまっていた。
ネタバレは絶対にしたくなかったのに。自分の不注意にもかかわらず、Twitterなんかこの世から抹殺したいと思うほど勝手に怒り狂っていた。
知ってしまった以上、お芝居に必要なシーンってことなら受け入れてみせるさ!とカッコつけていたものの、ライブビューイング観劇時、スクリーンを通して見ていてもなかなかの大打撃を受けた。
気を紛らわせる方法がその時間を計ることしかなく。その間約15秒。
ボイランを見てからは何も怖いものはないと思っていたのに、自担のラブシーンで思い切りショックを受けるタイプだったってことがこの度判明した私である。
また、やはり自分の地位への執着によってだんだん崩壊していく闇マクベス。すごい表現力だった。
バンクォーの暗殺を命じているときの挑発的な口調や視線、未来が気になるあまり自ら魔物に会いに行くその限りない欲と不安との葛藤...などなど言い出せばきりがないが、一人の人間が併せ持つであろう複雑な感情を、丸山隆平演じるマクベスによって全て見せてもらえた気がしている。
終盤、最愛のマクベス夫人も錯乱状態から命を絶ち、多くの家臣からも逃げられ完全に孤立、自業自得とは言うもののマクベスは壮絶な最後を遂げてしまう。
古今東西、歴史を見てもその例は余りあるように、身の丈に合わない野心や欲に翻弄されてしまった哀れな結末と言えるだろう。
マクベスは多くの罪を重ねてしまったわけで、因果応報というやつで、そんな奴は成敗されるのはこの世の常で。
でも原作を何度か読み、「マクベス」という人間についてここ数カ月ずっと追い続けていたら、その悲しい末路はとてもやりきれなく、涙が滲んでしまった。
相応しくない感想なことを承知で言うと、今日はそれぐらいにしといてやってくれないか?と思ってしまった。
許してやったらどうや、的な。
以下、小ネタ集。
夢のグローブ座は思っていたよりずっと小規模な会場で、座席に着くなりそのステージと客席の近さに緊張でただただ吐きそうになっていた。
もう、ドームでアリーナAブロにでも当たらない限りは、これ以上近くで丸ちゃんを見られることはないだろうと思う。
マクベスが逃げ腰で夫人に叱られるときなど、感情が大きく動いているときはだいたい向かって左の階段で演じてることが多く、そちら側が良く見える座席だったのでそれはもうさまざまな表情をみせてもらったと思う。
国王ダンカンを手にかけた後、一晩中起きていたと怪しまれないように早く夜着を着てと夫人にせかされ、翌朝何事もなかったかのように現れたマルベス様は黒いベロア調の夜着を素肌にお召しだった。ああ、それ似合いすぎです。真のジャニーズここにありな感じで、めちゃくちゃカッコよかった。
共演者の方で印象的だったこと。ライブビューイングの時の話をすると、やはりセリフが少し聞きとりづらいなと感じることもあったのですが(あの独特のセリフでは仕方がないですが)、マルカム役の窪塚俊介さんのセリフがとてもはっきり聞き取れて、とても舞台向きのお芝居をされる俳優さんであることにとても興味を持ち、また違う役どころも見てみたいと思った。
公演終了後、拍手に応じて一同が登場してくれましたが、あの悲劇のマクベスはもういつもの笑顔な丸ちゃんになっていた。
そのとき、確かに自分の目におさめたあの右頬のエクボと手の血管を一生忘れないと思う。
昨日は無事千秋楽を迎えられたようで何よりです。
丸ちゃん、本当にお疲れ様でした。
さてさて、まだまだ世界は終わらない。
すでにご本人のブログにてご紹介いただきましたが、今回私ははてなブログで知り合ったあるみかんさんとマクベス観劇をご一緒することができた。
もともと、あるみかんさんの文章が大好きで、色々とやりとりをするようになってからもずっと私にとっては憧れのブロガーさんですが、この度マクベスの観劇と合わせてオフ会をすることになった。
マルベスに会える上に、さらに今回はあるみかんさんにまでお会いできるとあって、さらに仕事の忙しさで公演前の数週間はしばらく極限状態で過ごしていた。
(といっても取り立てて痩せてはいなかったが)
マクベス前夜祭~後夜祭にて、今回のマクベスの公演が、お互いが愛してやまない丸山隆平にとって非常に大きなステップアップになったであろうことを心から喜びあいました。
乾杯の音頭はもちろん、マルベース!
日頃の文字だけのやりとりだけではなかなか話しきれない色々なエイトごとを始め、個人的なお話もできてあっという間に時間が過ぎてしまった。
私の方こそ、数多いるあるみかんさんファンに嫉妬されてしまうかもしれないので詳細は秘密に。いや、ここぞとばかりに私が一方的にしゃべりたおしていたというのが正解かも。
それにしても、鑑賞後に話した感想なんかの会話が、あるみかんさんのブログでなぞれるというのはなんとも贅沢でとっても嬉しいことだと思いました。
そう。後夜祭を予定していた新宿のトリキはオープンして間もない時間だというのに満席だった。ここは泣く子も黙る大都会新宿で、私がいつも行く片田舎のトリキとは全くワケが違うのだということを思い知りましたが、次は必ずトリキで会おうと誓って帰途につきました。
マクベスでは、あまりに長時間間近で丸ちゃんを見ていたせいで感覚が麻痺してしまったのか...実は全然実感が湧かない。
これからマルベスロスがやって来るのかどうか・・・。若干何もやる気がしないのですでに症状が出始めてるのかも?
パンフレットをまだじっくり眺められていないので、ちょっとずつ見返しながら余韻に浸りたいなと思っています。